※ネタバレあり【観てきました】エヴェレスト神々の山嶺

f:id:speedstar99:20160302181319j:plain

試写会に当選して観てきました。

小説版を読んだことのある私としては、あのボリュームをどう入れ込むかに興味がありました。
長編小説の映画化ですので、端折ったり説明台詞が長くなるのは仕方のないことで、展開が強引かなと思う部分もありましたが、登攀シーンが力強く描かれており、思わず体に力が入りました。
小説版とどう変わっているかは観ていただくとして、エヴェレストの雰囲気は伝わりました。
山岳映画にありがちなファンタジー感も若干感じましたが仕方のないことかなと。リアル感はありました。
あとはモンベルすごい、かな笑
 
!!!以下ネタバレ注意!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神々の山嶺は原作が良すぎるからなあ・・・・

映画は時間の関係で上巻にあたる部分ほとんどを端折って飛ばしてたから、
状況説明薄くなり、山への執念みたいなものが希薄化してしまってたと思う。
小説の3/4の内容を映画の前半45分ぐらいにおさめて、羽生+深町の登攀に45分、
その後小説にない深町の再登攀に45分って感じで、小説とは別物感あった。

深町とカメラの因縁について、サスペンスタッチの小説版とは全く違った。
小説版では最後までプロットに絡むけれど映画版では途中でどっかいってしまった。
かなり重要なファクターだと思うんだけど。
だから、マロリーの謎も、それを追う深町らの執念も、まったく絡んで来ず、
ピエール瀧がわけもわからず金だけ出すバカ上司みたいになっちゃってた。

山岳会のエピソードも、小説では羽生の人間性に深みを持たせていたんだけど。
羽生と岸涼子と深町の関係性も、観客が腑に落ちるほど描写されてなかったから、
なんで岸涼子がついてくるのか、BCで待ってるのか理解できなかったと思う。

実際の登攀シーンはリアルで思わず力が入ったので、その部分はよかった。
映像はやはり、実物と、合成はまるわかりでしたけどね。

南西壁だ南東稜だというルート名は素人にはわかりづらいと思って流したと思うんだけど、おかげで羽生と深町はいつ、どのルートを通ったのかわからない。
深町が再登攀するときのルートは全く説明がなく、サウスコルが出てくるあたりノーマルルート?と思ったけど、じゃあ羽生のいたテラスはどこなんだ。羽生の下山はノーマルルートだったのかな?
だとしたらあんなオーバーハングはサウスコルより上にないんじゃないかな。

冒頭でウエスタンクームあたりを2名でコンティニュアスで登行中に片方が足を滑らせて、とっさに滑落停止姿勢をとるでもなく滑落になり、ザイルパートナーも巻き込まれて死亡するっていう、日本の冬山もおぼつかないんじゃないかという素人感丸出しの映像あったんだけど、それってヒマラヤ登山者のリアルなの?

冬季エベレストのBCで、モンベルのステラリッジテント(フライシートなし?)で過ごすのはシュールだったし、アタック時に羽生が背負うゼロポイントのザック(グラナイトバックかアルパインバック?)が小さいしペタンコなのも気になった。
鉛筆を折ったりノートをちぎったりチョコを半分にしたりと軽量追求する描写あるわりには、ザックがトレッキング用で無駄に収納力のある重いモデルにみえた。

 

総評としては、登攀シーンはよかった。あとは微妙・・・小説版読むのオススメ。